コストコは人口と土地がカギ! 出店条件と全国の店舗展開地図

アメリカ発の会員制倉庫型ストア「コストコ」は、日本でもすっかり人気を集めています。
巨大なカート、倉庫のような売り場、そして大容量の商品。
まとめ買いを楽しむスタイルは日本の消費者にも定着し、2025年9月1日時点で、北海道から沖縄まで国内に37倉庫店を展開しています。
では、コストコは日本でどのような立地を選んでいるのでしょうか。
その答えは大きく「商圏人口」と「車でのアクセスのよい広大な敷地」の2つの条件にあります。
半径10kmに50万人以上という商圏条件
まず重要なのは人口規模です。
コストコは「半径10km以内の人口が概ね50万人以上」という潜在顧客を見込める場所を基本条件としています。
会員制のため、一定の人口規模がなければ採算が取れません。
首都圏や関西圏はこの条件を容易に満たしますが、地方都市ではシビアな条件になります。

車でのアクセス良好、敷地面積15,000坪以上 ― 郊外立地の必然
もう一つの条件が、15,000坪(約5万㎡)以上の敷地面積です。
売り場に加えて巨大な駐車場を収容するには、これが最低限必要な規模となります。
都市中心部では確保がほぼ不可能なため、必然的に郊外立地を選ばざるを得ません。
また、自動車での来店が前提のため、高速道路や幹線道路へのアクセスの良さも重要です。

商圏人口と土地条件の両立
コストコの出店戦略は「人口」と「土地」の両立です。
- 人口だけあっても土地がなければ出店できない
(例:東京23区内は人口密度が高いが、広い敷地の確保が困難) - 土地だけあっても人口が不足すれば成り立たない
(例:地方の郊外では広い土地はあるが、10km圏で50万人に届かない)
したがって、都市郊外で広い土地を確保できるエリアが自ずと候補になります。

コストコの出店状況
それでは、コストコの全国の出店状況(2025年9月1日時点)を見てみましょう。
青印はコストコの店舗所在地、黒円は店舗からの半径10kmを示します。また、人口が多い地域を把握するため、令和2年国勢調査の人口集中地区(DID)を赤色で重ねました。








いずれも都市の郊外に立地しており、また、半径10km圏内には赤色の人口集中地区(DID)が一定程度含まれていることがわかります。
また、各店舗の10km圏は基本的に重ならず、適度な距離を保って展開されている点も興味深いところです。
最近の出店事例 ― 東近江倉庫店
2024年8月にオープンした滋賀県の「東近江倉庫店」は、やや異例のケースです。
所在地の東近江市の人口は約11万人で、10km圏の人口も50万人に届いていません。

しかし、滋賀県初の出店であること、さらに名神高速・八日市ICの目の前という高い交通利便性を背景に、広域からの集客を狙える立地です。
この事例からも、人口基準が絶対ではなく、交通アクセスの良さを重視して柔軟に判断していることがわかります。
今後の展望 — 出店候補地を予測する
コストコは2030年までに国内60店舗体制を目指すと公表しています。
現段階の37店舗を通過点とするなら、今後どの地域に新規出店する可能性があるのでしょうか。
私見ですが、「コストコの空白地で、人口がある程度集積している」という観点のみから、いくつか候補地を考えてみました。なお、土地の確保については考慮していません。
- 関東地方 : さいたま市(約135万人)周辺
- 北陸地方 : 新潟市(約76万人)周辺
- 東海地方 : 静岡市(約67万人)周辺
- 中部地方 : 豊田市(約41万人)・岡崎市(約38万人)周辺
- 近畿地方 : 姫路市(約52万人)周辺
- 中国地方 : 岡山市(約70万人)・倉敷市(約47万人)周辺
- 四国地方 : 松山市(約50万人)周辺
- 九州地方 : 鹿児島市(約58万人)周辺
10km以内に人口50万人以上の商圏を持ち、かつ15,000坪規模の土地を確保できる都市は全国でも多くはありません。
しかし、東近江の事例が成功すれば、今後は「10km圏の人口不足を補う形で、20km圏・30km圏から広域集客する」という戦略も広がるかもしれません。
今後の出店計画から目が離せません。
