内向的人間の名もなき日々

Diary of a Quiet Soul

甲子園を支える「大学付属校」の力 ― 日大・東海大を中心に

甲子園選手イメージ

 

甲子園の出場校を眺めると、「〇〇大」と大学名が入っている高校をよく見かけます。

 

これらは多くが大学の付属校や系列校で、毎年のように強豪として名前を連ねています。

 

今年(2025年)の夏の甲子園でも、次の高校が出場しました。

 

このほかにも、校名に「大学」が含まれていなくても実は付属校、というケースもありますが、ここでは省いています。

 

中でも全国的に多数の付属校を持つことで知られるのが、日本大学東海大学です。

 

今回は、この2大学の付属校に焦点を当て、甲子園での活躍ぶりを見ていきましょう。

 

日本大学の付属校

日本大学は、全国に26の付属高校を持つ国内最大のネットワークを誇ります。

 

日大付属高校の甲子園出場回数 ※赤字は2025年夏の甲子園出場校

  都道府県 所在地 学校名
1 北海道 北広島市 札幌日本大学高校 1 1
2 山形県 山形市 日本大学山形高校 4 20
3 福島県 郡山市 日本大学東北高校 0 8
4 茨城県 土浦市 土浦日本大学高校 2 5
5 茨城県 土浦市 土浦日本大学中等教育学校 - -
6 茨城県 桜川市 岩瀬日本大学高校 0 0
7 栃木県 佐野市 佐野日本大学高校 4 6
8 栃木県 佐野市 佐野日本大学中等教育学校 - -
9 千葉県 船橋市 日本大学習志野高校 0 0
10 千葉県 船橋市 千葉日本大学第一高校 0 0
11 東京都 世田谷区 日本大学櫻丘高校 1 1
12 東京都 杉並区 日本大学鶴ケ丘高校 0 3
13 東京都 文京区 日本大学豊山高校 0 1
14 東京都 板橋区 日本大学豊山女子高校 - -
15 東京都 墨田区 日本大学第一高校 2 8
16 東京都 杉並区 日本大学第二高校 2 4
17 東京都 町田市 日本大学第三高校 20 20
18 東京都 目黒区 目黒日本大学高校 0 0
19 神奈川県 横浜市 日本大学高校 0 0
20 神奈川県 藤沢市 日本大学藤沢高校 3 1
21 山梨県 上野原市 日本大学明誠高校 1 0
22 長野県 長野市 長野日本大学高校 1 2
23 静岡県 三島市 日本大学三島高校 2 2
24 岐阜県 大垣市 大垣日本大学高校 6 6
25 長崎県 諫早市 長崎日本大学高校 4 9
26 宮崎県 宮崎市 宮崎日本大学高校 0 2

 

地域分布

地域的には東日本に多く、関西・中国・四国地方には存在しません。

 

種類

付属高校は大きく「正付属」「特別付属」「準付属」に分かれます。

  • 正付属:日大が直接運営し、「日大+地名」型の校名。
  • 特別付属:かつて正付属だったが、戦後分離独立した別法人運営。番号がつく校名。
  • 準付属:別法人運営で、「地名+日大」型の校名。

 

野球の特徴

甲子園の常連校も多数で、特に、日大三西東京)は、春夏合わせて計3度の全国制覇を誇る屈指の強豪校です。

 

2023年の夏の甲子園予選・西東京大会決勝では、日大三日大鶴ケ丘が対戦する「日大対決」が話題になりました。

 

甲子園



 

東海大学の付属校

東海大学も全国に14校の付属高校を持っています。

 

東海大付属高校の甲子園出場回数 ※赤字は2025年夏の甲子園出場校

  都道府県 所在地 学校名
1 北海道 札幌市 東海大学付属札幌高校 7 5
2 山形県 山形市 東海大学山形高校 3 6
3 千葉県 浦安市 東海大学付属浦安高校 1 2
4 千葉県 市原市 東海大学付属市原望洋高校  2 1
5 東京都 港区 東海大学付属高輪台高校 0 0
6 東京都 渋谷区 東海大学付属望星高校 - -
7 東京都 あきる野市 東海大学菅生高校 5 4
8 神奈川県 相模原市 東海大学付属相模高校 12 12
9 山梨県 甲府市 東海大学付属甲府高校 6 14
10 長野県 茅野市 東海大学付属諏訪高校  3 1
11 静岡県 静岡市 東海大学付属静岡翔洋高校 3 6
12 大阪府 枚方市 東海大学付属大阪仰星高校 2 0
13 福岡県 宗像市 東海大学付属福岡高校 3 0
14 熊本県 熊本市 東海大学付属熊本星翔高校 0 4

 

地域分布

こちらも東日本に多く、中国・四国地方にはありません。

 

種類

付属高校は以下の3種類に分かれます。

  • 大学直営
  • 提携校:校名に「付属」が入らない2校。別法人が運営。
  • 連携校:東海大甲府。別法人が運営。

 

野球の特徴

強豪校が揃っており、特に東海大相模(神奈川)は春3回、夏2回の全国制覇を果たした名門。

 

2021年のセンバツ1回戦では、東海大相模(神奈川)と東海大甲府(山梨)の「東海対決」が注目を集めました。

 

象徴的な「Tokai」ロゴ入りの縦縞ユニフォームは、甲子園ファンにはおなじみです。

 

硬式球、バットイメージ

 

なぜ付属校は強いのか?

では、なぜ付属校は甲子園で存在感を示すことが多いのでしょうか。

 

これは個人的な見方ですが、いくつか理由があるように思います。

 

安定した進学ルート

 大学への内部進学が可能なため、選手が勉強との両立に過度な不安を抱かずに野球に集中できる環境が整っていると考えられます。

 

大学とのつながり

 付属校の場合、大学の野球部との連携やコーチ陣の指導を受けられることもあり、練習環境やノウハウの共有が強みになっている可能性があります。

 

全国からの注目度

 大学名を冠していることから知名度が高く、全国から有力な中学生が集まりやすいという点も強さにつながっているのではないでしょうか。

 

恵まれた施設や環境

 グラウンドや寮など、大学の設備や資源を共有できるケースがあり、選手の育成にプラスになっていると考えられます。

 

甲子園優勝旗イメージ

 

まとめ

日本大学東海大学をはじめとする付属校は、高校野球界で確かな存在感を放っています。


大学の教育資源やネットワークを背景に、スポーツと学業の両面で成果をあげているのが特徴です。

 

日本の高校野球を考えるうえで、付属校の存在は欠かせません。


今回は日本大学東海大学に注目しましたが、全国にはまだまだ多くの強豪付属校があります。


それぞれが地域に根ざしながら、甲子園という舞台でどのような活躍を見せるのか、今後も楽しみです。